【FP】円安、どこまで続くのか?

こんにちは、Marriage and FPの栗本です。

円安が進んでますね!

年初は110円程度だったのが、今は、1$=150円。

輸入品の値上がりも激しく、10月1日から各スーパーでも値上げ。庶民の生活を直撃しています。

 

ところで、じゃーなんで為替が円安に進んでいるの?と聞かれると難しいですよね。

正直、専門家の中でも意見が割れるところですし、いろんな要素が絡み合って成り立ってます。

 

簡単にわかりやすいところをいくつかピックアップします。

 

① 日米の金利差

② 貿易収支

③ マネタリーベース

④ 購買力平価

 

この4点について、説明してみたいと思います。

① 日米の金利差

今、円安が進んでいる要因として、一番大きなポイントは、米国と日本の金利の差が開いているから。

というのが大きな要因として挙げられています。

今、日本円の10年国債の金利は、0.25%に抑えられています。(金利上昇の圧力があっても、日本銀行が量的緩和を行い、国債を買い支えているため、金利が低い水準に保たれています。)

一方、アメリカは、30年ぶりのインフレに襲われており、そのインフレを抑制しようと、政府が政策金利の引き上げを行っております。現在の政策金利は、3.25%

そして、米国債の10年金利は、4.2%程度まで上がっています。

日本は、0.25%なのに、米国は、4.2%。

ということは、日本円で預金しておくよりも、米ドルにして、預金した方が、金利が儲かる!!

と単純に思うと思います。

まさにそれが大きな要因です。

金融機関やヘッジファンドは、安い日本円で資金を調達し、米ドルに変更して、米ドルで国債などの債券を購入すれば、それだけで金利分儲かります。

円を売って、ドルを購入する。という動きなので、日米金利差が大きくなればなるほど、円安が進みます。

 

② 貿易収支

普段の経済活動の中で、輸出入は当たり前のように行われています。

1980年代の日本は、米国への輸出が多く、輸入が少なかったため、大きな貿易黒字となっていました。

社会の授業で、『貿易摩擦』というワードを習った方も多いと思います。

これは、日本が、自動車や家電製品を米国へ輸出し、米ドルをたくさん稼いでいた一方で、アメリカからの輸入が少なかったため、アメリカ政府が日本に対し、圧力を掛けていました。

その間、日本は、貿易黒字が大きく積み上がり、米ドルをたくさん売って、日本円に変換してました。この動きは、円高圧力に大きく寄与します。

 

その一方で、現在は、ウクライナ危機によるエネルギー資源の高騰や、日本国内で原子力発電所が稼働できない問題もあり、たくさんのエネルギー資源を輸出せざるを得ません。

また、2010年代の円高による影響で国内メーカーの海外移転が進んでおり、国内からメーカーの輸出も少なくなっています。

その結果、貿易収支が大きな赤字となっています。

貿易収支の赤字=日本円を米ドルに変更する動きが盛んになりますので、これも円安に拍車をかけています。

 

③ マネタリーベースのバランス

これは、日本円の資金量やアメリカの資金量の比較を表します。

日本円のマネタリーベース/米ドルのマネタリーベース がおおよそ為替レートに相関しています。

 

日本円のマネタリーベースは、年々増加しています。日銀の政策により、国債の買い支えをすることで、市場へお金をばらまく。ということだったり。

一方でアメリカはインフレを抑えるため、今後、ドルの回収をしていくと考えられています。

より一層、日本円が多くなり、ドルが少なくなる。そのため、さらに円安が進む(円の価値が下がる。)と考えられます。

 

④ 購買力平価

最後に、購買力平価について。 これは、物価を表すもので、同じレベルの商品であれば、全世界どこでもだいたい同じ値段で買えるよね?というような考えに基づきます。

よく使われるのは、ビックマック指数やスターバックス指数です。

全世界に展開されていて、且つ同じ品質のものが提供されるマクドナルドやスターバックスの価格から、適正な為替レートを導く。というもの。

 

現在、アメリカのビックマックが、5.2ドルくらい。

日本のビックマックが、390円。

これを元にすると、1ドル=75円

スターバックスラテの値段で比べると

アメリカ 4.5ドル。

日本  415円

これを元にすると、1ドル=92円

 

ということになります。

物価やその国の労働環境の差もありますので、一概には言えませんが、やはり物価から考えると、1ドル=100円くらいが妥当なようにも感じますね。

ですので、円が過少評価されていると考えるかもしれませんし、物価が安すぎる。と考えるのもありえます。

さらには、賃金が安すぎる。という問題もあるかもしれません。

 

現在のアメリカでは、1時間の時給が20ドルでも人が採用できない。と言われます。日本円にすると約3,000円です。

日本の現在の最低賃金は、1時間約1,000円です。

賃金だけで3倍の差です。

つまり、物価が安い=賃金の低さ。と考えられます。

そう考えると、賃金を上げ、物価を上げる。ということが必要なのでは。とも考えられますね。

そうしないと日本だけ取り残されてしまいます。

安くなった日本を喜ぶのは外国の資本家でしょう。

今は、日本がバーゲンセール状態。ホテルも食事も不動産も。

気づいたら日本の土地のほとんどが外国人が所有している。ということにもなりかねません。

 

実際、円安というのは、円高よりも大きな問題だと思ってます。

今後、どうなるのかわかりませんが、アメリカのインフレが収まらない限りしばらくは円安が続くでしょう。

皆さんも自分自身の資産を守るためにも、いろいろと考えてみてください。

 

Marriage and FP

栗本やすひろ

この記事を書いた人

栗本やすひろ
栗本やすひろ
名古屋を中心に、「出会いから老後まで安心できる婚活をサポートします!」をモットーに、結婚相談所とファイナンシャルプランニング事務所を運営しています。
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